不動産売買の「契約不適合責任」を味方につける:足立・葛飾エリア特有のトラブル回避術

【保存版】不動産売買の「契約不適合責任」を味方につける:足立・葛飾エリア特有のトラブル回避術



不動産を売る、あるいは買う。人生の大きな節目において、今や避けては通れない最重要ルールが「契約不適合責任」です。

2020年の民法改正で「瑕疵(かし)担保責任」から名称が変わりましたが、その本質は「契約書で約束した通りの状態か?」という、より具体的で厳しい基準へのシフトです。特に、下町情緒あふれる足立区や葛飾区といったエリアでは、古い建物や複雑な権利関係が多く、このルールを甘く見ると、引渡し後に思わぬ「負の遺産」を背負うことになりかねません。

本記事では、この難しい法律を「世界一わかりやすく」噛み砕き、地域特有の具体例を交えて解説します。




1章:そもそも「契約不適合責任」って何?


以前のルールでは、不具合が「隠れていた(気づかなかった)」かどうかが論点でしたが、今は違います。

「契約書に何を書いたか」がすべてです。

 売主様: 「知っている不具合は、すべて契約書に書いて合意を得れば責任を免れる」

 買主様: 「契約書に書いていない不具合(雨漏り、シロアリ、設備の故障など)があれば、売主様に修理を求められる」つまり、契約書を「ただの書類」ではなく、「責任の境界線」として認識することが、トラブル回避の第一歩となります。



2章:足立区・葛飾区で「本当によくある」地域特有のトラブル事例


このエリアは、古くからの住宅街が多く、特有の「土地の履歴」や「建物の造り」があります。実務でよく遭遇する3つのトラブル事例を見てみましょう。


1. 「境界標」がどこにあるかわからない問題

足立区や葛飾区の古い住宅地では、隣家との距離が非常に近く、境界(自分の土地と隣の土地の境目)が曖昧なケースが多々あります。

 トラブル例: 「ブロック塀が隣の敷地にはみ出していた」「境界標が工事でなくなっていた」 これを放置して売却すると、買主様が将来建替えをする際に隣人とトラブルになり、「聞いていた話と違う!」と契約不適合責任を問われる原因になります。売却前に「確定測量」を行い、境界をハッキリさせることが、売主様の最大の防御です。


2. 「地中埋設物」のサプライズ

昔、工場や町工場が多かったエリアや、古い家を解体して建て直した土地では、地面の下に「お宝」ならぬ「ゴミ」が眠っていることがあります。

 トラブル例: 建築工事を始めたら、土の中から「昔の家の基礎コンクリート」や「古い浄化槽」、「レンガの破片」が大量に出てきた。 これらを撤去するには数十万、数百万の費用がかかることもあります。契約書に「地中の埋設物については責任を負わない」という特約を明記していない限り、売主様がその撤去費用を負担するリスクが生じます。


3. 422項道路」のセットバック問題

足立区・葛飾区に多い狭い道(セットバックが必要な道)に関するトラブルです。

 トラブル例: 「車が通れると聞いていたのに、実際はセットバックが必要で敷地が狭くなり、希望のサイズの家が建たなかった」 これは「品質」に関する不適合にあたります。道路の種類や建築制限を、重要事項説明書だけでなく、契約書にも正確に反映させることが不可欠です。



3章:【売主様の心得】「正直にさらけ出す」ことが、あなたを守る盾になる


売主様にとって、売却後のクレームは最も避けたい事態です。そのためには、物件の「弱点」を隠すのではなく、むしろ積極的に開示することが、自分を守ることに繋がります。


1. 「物件状況報告書(告知書)」は誠実に

「数年前に一度だけ雨漏りしたけれど、今は直っているから書かなくていいだろう」――これが一番危険な考えです。 今は直っていても、過去の履歴として記載しましょう。買主様に「昔こういうことがありましたが、今は修理済みです」と伝えて納得して買ってもらえば、もし将来再発しても「合意済みのリスク」として、売主様の責任は免除されます。


2. 「責任を負う期間」を戦略的に決める

法律上は「不適合を知ってから1年」ですが、実務では「引渡しから3ヶ月」とするのが一般的です。 さらに、築年数が30 年、40年を超えるような古い物件の場合は、「一切の契約不適合責任を負わない(免責)」という条件で売り出すことも可能です。ただし、その分「安くする」などのメリットを提示し、買主様に納得してもらう交渉術が必要になります。



4 章:【買主様の心得】「自分の権利」を賢く、かつ速やかに行使する

買主様にとって、このルールは「欠陥住宅を掴まされないための権利」です。

1. 入居直後の「全力チェック」が命

契約書で売主様が責任を負う期間が「3ヶ月」と決まっている場合、1 日でも過ぎたら修理代は自己負担になります。

 入居初日にやること: 全部の蛇口をひねって水を流しっぱなしにする(排水の確認)、お湯が出るか、エアコンは効くか、インターホンは鳴るか。

 雨の日にやること: 窓枠の周りや天井にシミが出てこないか確認する。 少しでも「おかしい」と思ったら、すぐに仲介会社に連絡し、「期限内に通知した」という証拠を残してください。

2. 付帯設備表は「契約書の一部」だと心得る

「エアコン付き」と聞いていたのに、実際はボロボロで動かなかった……。これもよくあるトラブルです。 エアコン、コンロ、給湯器などが「中古品として使える状態で引き渡されるのか」「故障しているが現状のまま渡されるのか」を一覧にした「付帯設備表」を、契約前に穴が開くほどチェックしましょう。

※「設備に関しては一切責任を負わない『設備免責』という条件も多いので、契約前にそのチェックも忘れずに!」



5章:地域密着の不動産会社ができること


契約不適合責任は、単なる法律の知識だけでは解決できません。その土地の特性を知り、過去にどんなトラブルが起きやすかったかを把握している「経験」が重要です。

 足立区・葛飾区の相場観: 不具合があることを前提に、いくらで売り出すのが「正解」か。

 住宅ローンと金利の動向: もし契約不適合で解除になった場合、すでに支払ったローン手数料や火災保険料はどうなるのか。

 リフォームの提案: 不具合があるなら、それを逆手に取って「リフォーム費用を差し引いた価格」で提案し、買主様に好きなように直してもらうという戦略も有効です。



結びに:最高の「ありがとう」を交わすために


不動産売買は、売主様から買主様への「バトンの受け渡し」です。

売主様は「この家を大切に使ってくれる人に、隠し事なく譲りたい」。 買主様は「納得できる状態の家を、安心して手に入れたい」。

この両者の想いを繋ぐのが、契約不適合責任というルールです。それは誰かを攻撃するための道具ではなく、お互いが「後悔しない取引」をするための、フェアな約束事なのです。

私たちは、足立区・葛飾区の不動産事情を隅々まで知り尽くしたプロフェッショナルとして、契約書の文言一つひとつにまでこだわり、皆様の安心を守ります。

「この物件、境界が不安なんだけど……」「古い家だけど、責任を負わずに売れるかな?」 そんな些細な悩みこそ、私たちにぶつけてください。

お客様の「納得」のすぐそばで、今日も全力でサポートさせていただきます。



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